「妊娠してるかも……」と思った時、まずやることは?

妊娠かも⁉

しっかりと避妊をしているつもりでも、100%の避妊法はありません。セックスをしている人は妊娠している可能性があります。コンドーム単独の避妊では、年間で2%以上の妊娠率があります。
妊娠を疑ったときに最初にすること、それはドラッグストアで妊娠反応検査薬を買うことです。妊娠しているかどうかは、いくら考えても判断できません。考えるだけ無駄です。生理が1週間遅れたら妊娠検査薬を使うようにしましょう。また、それより早く妊娠を知っても、あまり意味はありません。

目次

市販の妊娠検査薬で陽性なら、それは妊娠!

ドラッグストアの妊娠検査薬も、病院で使っている検査薬もほとんど同じものです。ムダな医療費や時間を使わないためにも、まずは妊娠かどうかを自分で検査しましょう。検査薬自体は同じモノだったとしても、病院で検査すると手数料などで2000円近くかかります。お店で買えば500円くらいです。
結果が陰性でも、その後も生理が来ない場合は、一週間後に再度検査をしましょう。最後のセックスから3週間以上経過して妊娠反応が陰性ならば、そのセックスでの妊娠はありません。

※まれに、妊娠してないのに妊娠反応が陽性に出ることがあります。卵巣腫瘍などがある場合があります。早めに婦人科を受診しましょう。特に男性で妊娠反応が陽性に出た場合には、精巣がんの疑いがあります。その日のうちに泌尿器科に行きましょう。

妊娠検査薬が陽性なら婦人科へ

妊娠検査薬で陽性なら、2週間以内に「産婦人科」「婦人科」「産科」を受診しましょう。お産をしていないクリニックでも、妊娠初期は診察してくれるはずです。

最初の受診は予定の生理から1~2週間後

妊娠がわかったとき、産婦人科の初診の時期としては、予定の生理から1~2週間後くらいが良いです。
その理由は・・

受診時期があまりに早すぎると胎嚢(赤ちゃんが入る袋)が小さすぎて超音波検査で見えなくて、正常ではない場所(卵管など)に着床する「異所性妊娠」(子宮外妊娠)の疑いとされます。せっかく受診したのに不安だけが残ります。逆に受診が遅すぎると「異所性妊娠」(子宮外妊娠)に気づかずにいて危険な状態になることがあります。
妊娠5週頃から胎嚢が見えるようになるので、初診の時期は妊娠5週から6週頃(生理予定日から1~2週間後)がいいでしょう。

産婦人科の選び方

今後も定期的に通うことになるので、通院の利便性、緊急時の対応などを考えて選びましょう。自宅や勤務先の近く、通勤ルートの途中にある産婦人科が良いですね。お産を扱ってないクリニックだと、夜間や休日には対応できません。できれば、24時間対応できる病院(=お産をしている)を選んだ方が良いと思います。
また、受診前に診療時間や事前予約が必要かどうかも調べておきましょう。混み合う医療機関や予約が必要なクリニックでは、予約患者が優先されます。この時期は、つわりが始まる人もいますので、長時間待つような状況は避けたいですね。
なお、大きな病院(特定機能病院、200床以上の地域医療支援病院)は、初診で紹介状を持たずに行くと、診察料以外にも5000~10000円程度の追加費用がかかります。

初診時に必要なものは?

初診時には、以下のものを持って行きましょう。

  • 健康保険証
  • お金(1万円くらい)
  • 生理用ナプキン
  • 問診票に記入する情報(最終生理の開始日、妊娠検査薬で陽性反応が出た日、これまでの妊娠や出産の状況(出産年、妊娠週数、吸引分娩・鉗子分娩・帝王切開などの分娩方法とその理由)、持病の診断名と内服薬、過去に受けた手術の内容や診断名と日時)
  • 基礎体温表(記録してる人のみ)

※母子手帳は予定日が決定されてから市区町村の役所でもらいます。初診の時点で母子手帳が必要になることはありません。

受診の時の服装は?

当日は腟からのエコー検査をする可能性が高いので、内診台で外陰部を覆う服を脱ぐ必要があります。よって、脱ぎ着が簡単な服装がおすすめです。ゆったりしたスカートなら下着を脱ぐだけでも診察できます。カバーオールなどは、全部脱がなくてはいけなくなるのでおすすめしません。
また、おしりの後ろに血液が流れて服が汚れることもあるので、血液で汚れても目立たない色の方が良いかもしれません。外陰部が見えれば良いので、靴下ははいていても構いません。

初診時に何をするの?

尿採取(不要な病院も多い)

基本的には、自宅での妊娠反応検査薬で陽性なら、あらためての妊娠反応検査は不要です。断ることもできます。しかし、ルーチンで尿での妊娠反応検査を行う病院もあるので、病院でトイレに行く前に確認しておきましょう。経腟超音波検査の時に、尿が溜まっていない方が子宮が見やすいという理由もあります。

問診

最終生理の開始日、生理周期(生理開始日から次の生理開始日までの日数)
過去の妊娠、出産、流産など(出産した年、週数、児の体重、帝王切開や吸引・鉗子など)
通院中の病気、内服している薬
過去にかかった病気や手術経験(特に子宮の手術は重要)
アレルギーについて

超音波検査(エコー検査)

超音波で子宮内に胎嚢があるかどうかを確認します。初期の場合は、経腟プローブという直径2cm程度の棒状のものを腟の中に挿入して検査します。胎嚢のほか、子宮筋腫・卵巣嚢腫(のうしゅ)などもチェックします。

まとめ

妊娠を疑ったら、まず市販の妊娠検査薬を使ってチェックしましょう。陽性が出た時は、1~2週間以内に産婦人科、産科、婦人科を受診してください。異所性妊娠など、命に関わることもあります。医師から伝えられる注意点を良く聞いて置いてください。
問題なければ、次回は2~3週間後の受診となります。

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「子宮頸がん」と「女性のカラダ」

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【主な内容】
第1章 女性のカラダ
第2章 生理と妊娠のこと
第3章 産婦人科ってどんなところ?
第4章 子宮がんについて
第5章 親子で考える「HPVワクチン」

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